【後編】「臼蓋不全」による股関節の痛み—自宅でできるケアといとう治療院での改善サポート

前編の振り返り:あなたの股関節の痛みと「臼蓋(きゅうがい)不全」の関係

前編では、変形性股関節症や臼蓋(きゅうがい)不全がなぜ股関節の痛みを引き起こすのか、そのメカニズムについてお話ししました。大腿骨頭が外上方(体の外側、かつ上方向)にズレることで、軟骨の摩耗や骨棘の形成、不安定感、そして周りの筋肉の過剰な緊張に繋がってしまうことをご理解いただけたかと思います。

今回は後編として、この「小さなズレ」を整え、股関節を安定させるために、具体的にどのようなケアができるのか、そしてご自宅で取り組める簡単なトレーニング方法についてもご紹介します。

あなたの股関節を「本来あるべき姿」へ—いとう治療院が行う3つのステップ

では、この厄介な大腿骨頭のズレを防ぎ、あなたの股関節を安定させるためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか?
いとう治療院では、あなたの股関節を「本来あるべき姿」に戻すために、以下の3つのステップで丁寧にサポートします。

ステップ頑張りすぎている筋肉を「ホッと一息」させる
あなたの股関節が外にズレないように、ずっと必死に踏ん張ってくれているのが「内転筋」という太ももの内側の筋肉です。この筋肉は、まさに「縁の下の力持ち」。でも、あまりに頑張りすぎているせいで、カチカチに緊張してしまっている方が少なくありません。まずは、この内転筋の過剰な緊張を優しく緩め、股関節全体が「ホッと一息」つける状態を目指します。
ステップ眠っている「股関節のサポーター」を起こす
次に重要となるのが、股関節を横からしっかりと支える「外転筋」というお尻周りの筋肉たちです。特に、大殿筋上部中殿筋小殿筋は、股関節の安定化には欠かせない「頼れるサポーター」です。
ステップ股関節が「正しい位置」を覚えるための再教育
「あれ?内転筋って最初に緩めるって言ったのに?」と思われた方もいるかもしれませんね。そうです、最初は緊張を緩めます。しかし、股関節の安定性が増してきたら、今度は「股関節を一番良いポジション(求心位)に保つ」ために、内転筋が必要な時に必要なだけ力が入るように、正しい働き方を「再教育」していきます。

この3つのステップで、あなたの股関節は少しずつ本来のバランスを取り戻し、痛みのない快適な生活へと繋がっていくはずです。

自宅でできる!股関節をサポートする簡単トレーニング

ここからは、ご自宅で簡単に取り組める、股関節の安定を助けるトレーニングをいくつかご紹介します。無理のない範囲で、毎日少しずつ続けてみましょう。

【注意点】
* 痛みを感じたらすぐに中止してください。
* 症状が強い場合は、無理に行わず、まずは当院にご相談ください。
* 各動作はゆっくりと行い、筋肉の動きを意識しましょう。

1. 内転筋リフト内転筋の活性化,過剰な緊張を緩めます

1.開始姿勢 (画像)
・横向きに寝る。
・下側の脚・・・下側の脚は、まっすぐに伸ばします。
・上側の脚・・・上側の脚は膝を曲げます。足首を持つと体勢がとりやすいです。
2.動作 (画像②③)
・脚を持ち上げる・・・下側の脚を、床からゆっくりと持ち上げます。
足首のあたりに物を置いて、脚を持ち上げる目安に。
※つま先を少し内側に向ける意識を持つと、より内転筋に効かせやすくなります。
3.開始姿勢に戻る
・往復を繰り返します。

回数とセット数
   片側10〜15往復   2〜3セット

2. サイドレッグレイズ中殿筋小殿筋(外転筋)を活性化させます

1.開始姿勢 (画像)
・横向きに寝る。
・下側の脚・・・下側の脚は膝を曲げます。
・上側の脚・・・上側の脚はまっすぐに伸ばし、床と平行になるようにします。つま先は正面を向ける。
※頭からかかとまでが一直線になるように
2.動作 (画像)
・脚を持ち上げる・・・上の脚を膝を曲げず、真上(少し後上方)に持ち上げます。
※お尻の外側(中殿筋/小殿筋)の筋肉を使うことを意識。
・体幹を安定させる・・・ 動作中、腰が反ったり上半身や骨盤が前後に揺れないように、体幹をしっかり安定させます。
3.開始姿勢に戻る
・コントロールしながらゆっくりと開始姿勢まで脚を下ろします。力を抜いて「ストン」と下ろさない。

回数とセット数
   片側10〜15回   2〜3セット

3. クラムシェル《股関節伸展位》(大殿筋上部を活性化させます)

1.開始姿勢(画像
・横向きに寝る。
・両膝は曲げており、脚は重ねる。
※股関節が伸展位にあること。これは、体幹と太ももが一直線になる位置。
2.動作(画像
・上側の膝を、下側の膝から離すように上に持ち上げます。足は動作中ずっとくっつけたまま。
 腰が反ったり、骨盤が前後に揺れないように、体幹をしっかり安定させます。
3.開始姿勢に戻る
・コントロールしながらゆっくりと開始姿勢まで脚を下ろします。力を抜いて「ストン」と下ろさない。

回数とセット数
   片側10〜15回   2〜3セット

整形外科での検査も重要です

「もしかして、私も臼蓋不全なのかな…?」と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。ご自身の股関節の状態を正確に把握するためには、整形外科での検査も非常に重要です。レントゲン撮影などによって、臼蓋の形や骨の状態を詳しく調べることができます。

伊藤治療院は、皆様の健康をサポートする立場ですが、診断や画像検査は医療機関の役割です。必要に応じて、適切な医療機関への受診をおすすめすることもありますので、ご安心ください。

もう「諦めないでください」—痛みのない未来へ、私たちと一緒に踏み出しましょう

変形性股関節症や臼蓋不全は、確かに厄介な症状です。しかし、「もう仕方ない」と諦めてしまう必要は全くありません!適切なケアと、あなたの体と向き合うことで、痛みを軽減し、股関節の機能を改善することは十分に可能です。

いとう治療院は、あなたの股関節の痛みに寄り添い、再び笑顔で歩ける日を迎えられるよう、全力でサポートいたします。


福山市神辺町で整体院・鍼灸院・パーソナルトレーニングをお探しの方、肩こり、腰痛、膝痛、産前産後ケア(骨盤矯正)、スポーツ障害(野球肘、野球肩、オスグッド)などにお悩みの方は【いとう治療院】へぜひお気軽にご相談ください。

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