肉離れや肩肘の痛みを防ぐ!野球のトレーニングに「ブレーキをかける力」が必要な理由|福山市神辺町 いとう治療院

野球のケガ予防に「ブレーキ動作(伸張性収縮)」が不可欠な理由

近年、SNSや動画プラットフォームの発達に伴い、「いかに強い力を発揮するか」「いかに速いボールを投げるか・遠くへ飛ばすか」といった、最大筋力や瞬発力を高めるトレーニング情報が数多く共有されています。
​ダイナミックで華やかなプレーを生み出すために、パワフルな「アクセル」を鍛えることは極めて重要です。しかし、実際の野球現場において見落としがちでありながら、パフォーマンス向上とケガ予防の決定打となるのが「ブレーキをかける動作(減速・制動能力)」です。
​筋肉の専門用語では、これを「伸張性収縮(エキセントリック・コントラクション)」と呼びます。これは「筋肉が引き伸ばされながら、ブレーキのように力を発揮する状態」を指します。
​なぜこのブレーキ動作が、野球のケガ予防において極めて重要なのか、その理由を詳しく解説します。

​1. 伸張性収縮(エキセントリック・コントラクション)とは?

​筋肉の収縮様式には、大きく分けて以下の3つがあります。

コンセントリック(短縮性収縮):
筋肉が縮みながら力を発揮する(例:ダンベルを持ち上げる時の上腕二頭筋)
​アイソメトリック(等尺性収縮):
筋肉の長さが変わらずに力を発揮する(例:プランクなどで姿勢を保持する時の筋肉)
​エキセントリック(伸張性収縮):
筋肉が引き伸ばされながら、ブレーキをかけるように力を発揮する(例:階段を降りる時の太もも、ボールを投げた後に腕の振りを減速させる時の肩や背中の筋肉)

野球のプレーの多くは、実はこの「引き伸ばされながら耐える(ブレーキをかける)」という、筋肉にとって非常に過酷な動作の連続で成り立っています。

​2. なぜ野球で「ブレーキ」が必要なのか?(実際のプレーとケガのリスク)

野球のあらゆる激しい動作には、必ず強烈な「減速(ブレーキ)」が伴います。

投球動作:
ボールをリリースした瞬間、腕は凄まじいスピードで振られています。その腕がそのまま抜けて肩や肘の関節が破壊されないよう、ローテーターカフ(回旋筋腱板)や肩甲骨周りの筋肉が急激に引き伸ばされながらブレーキ(減速)をかけています。
​バッティング:
フルスイングのフォロースルーにかけて、体幹や背面の筋肉が遠心力に強いブレーキをかけます。
​走塁・守備:
ベースランニングでの急停止や、打球を追いかけて急激に減速する際、下半身(特にハムストリングスや大腿四頭筋)に凄まじい負荷がかかります。

もしこの「ブレーキをかける力(エキセントリック筋力)」が不足していると、筋肉や腱、靭帯に過大なストレスが集中します。その結果、肉離れや、肩・肘の関節唇・腱板損傷といった深刻なスポーツ障害を引き起こす原因になります。

​3. SNSのトレンドに流されない「出力」「ブレーキ」のバランス

タイムラインに流れてくる「出力系」のトレーニングや華やかなスイング動画を見ていると、ついつい自分もそちらばかりを追いかけたくなるものです。
​しかし、これを車の運転に例えるなら、「アクセル(出力)」ばかりを大きくして、「ブレーキ(減速)」を強化していない状態と同じです。性能の良いエンジンを積んでスピードが出せるようになっても、ブレーキが機能しなければ、急激な負荷がかかった瞬間に大事故(ケガ)を起こしてしまいます。

​出力を高める:
強い力を発揮し、パフォーマンスの天井を引き上げる。
​ブレーキを強化する:
引き伸ばされる負荷に耐える筋力と、神経協調性を高める。

「出力」と「ブレーキ」のバランスが取れて初めて、自分の思い描いた通りの激しい動きを安全にコントロールできるようになります。

​4. ブレーキ動作を鍛えるトレーニングのヒント

エキセントリック収縮(伸張性収縮)を強化するためには、普段のトレーニングに「耐える意識」や「ネガティブ動作の強調」を取り入れることが効果的です。

ネガティブ動作をゆっくり行う(スロードロップ):
ウエイトトレーニング(スクワットやベンチプレスなど)の際、挙げる時(コンセントリック)は通常通り行い、下ろす時(エキセントリック)を3〜4秒かけてゆっくり制御しながら行う。
​デセレネーション(減速)ドリル:
前方にダッシュした状態から、合図に合わせてピタッと急停止するトレーニング(重心を低く落としてブレーキをかける感覚を養う)。
​チューブやケーブルを使った減速トレーニング:
投球動作のフォロースルーを意識し、引っ張られる力に逆らいながら腕を減速させるエクササイズ。

​まとめ

​SNS等では、どうしても「いかに強い力を出すか」という出力にスポットが当たりがちです。しかし、身体を守りながら長くプレーし続けるためには、裏で働いている「ブレーキ(伸張性収縮)」の存在が欠かせません。
​日々のトレーニングメニューに「ブレーキを鍛える視点」を少し取り入れることが、長期離脱を防ぎ、シーズンを通してパフォーマンスを維持するための大きなカギになります。

 


福山市神辺町で整体院・鍼灸院・パーソナルトレーニングをお探しの方、肩こり、腰痛、膝痛、産前産後ケア(骨盤矯正)、スポーツ障害(野球肘、野球肩、オスグッド)などにお悩みの方は【いとう治療院】へぜひお気軽にご相談ください。

野球肩・肘予防について
スポーツ障害について
トレーニングや体づくりについて
子どものスポーツと健康について
施術やセルフケアなど健康情報について
患者様の声一覧
いとう治療院からのお知らせ

“笑顔で輝ける人生に”
鍼灸/整体/スポーツコンディショニング
いとう治療院
広島県福山市神辺町川南3235-2
TEL:084-966-3820
LINE:https://page.line.me/ugq1261h
(LINE予約が便利です)

関連記事

  1. 子どもの運動能力を最大化!成長段階別「親の役割」3つのポイント|福山市神辺町 いとう治療院

  2. 子どものトレーニングについてVol.3(中学生)

  3. 「毎日歩いているのに筋肉がつかない…」の正体とは?ウォーキングの効果を2倍にする“ちょい足し”のコツ|福山市神辺町 いとう治療院

  4. 太もも前側の張り、放置すると〇〇に!?原因と改善策を徹底解説

  5. 子どものトレーニングについてVol.1(幼児期)

  6. 【バレーボール】着地の「膝の内折れ」が危ない!前十字靭帯(ACL)を守るための怪我予防ガイド|福山市神辺町 いとう治療院