肩関節周囲炎(五十肩)は、多くの人が経験する肩の痛みの一因となる疾患です。特に年齢を重ねるとともに発症しやすくなり、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。40代で発症した場合は四十肩、50代で発症した場合は五十肩と呼ばれますが、症状や病態に違いはありません。
同じように肩が痛くなる病気としては、腱板損傷、断裂というものや、上腕二頭筋腱長頭炎、石灰沈着性腱板炎、肩峰下滑液包炎などが挙げられますが、区別は必要です。肩関節周囲炎(五十肩)以外の他の疾患では、痛みはあるけれどそこまで固くなっていない、という特徴があります。例えば、自力でも他力でも痛みがある場合は肩関節周囲炎(五十肩)寄りの症状となり、自力で肩を動かした時に痛みがあれば、その他の疾患寄りの症状となります。
※肩関節周囲炎は、一度に治るものではありません。治るものは、時期(タイミング)や違う疾患と思われます。
・肩関節周囲炎とは?
肩関節周囲炎(五十肩)は、肩の周囲の組織(筋肉、腱、関節包など)が炎症を起こす疾患です。一般的には「五十肩」とも呼ばれ、肩の動きが制限され、痛みが生じることが特徴です。肩関節周囲炎は、以下の3つの段階を経て進行します。
➀急性期(炎症期)
– **期間**:2週間~1ヶ月
– **症状**:炎症が強く、肩の痛みや腫れが顕著。痛みにより肩の動きが制限されます。
– **痛みのパターン**:安静時や夜間、運動時に痛みが現れます。
– **治療のポイント**:安静が重要で、ポジショニング指導や患部外の拘縮予防が推奨されます。
急性期は、肩関節周囲炎の初期段階であり、炎症が最も強く現れる時期です。この時期に無理をすると症状が悪化するため、適切な安静と治療が必要です。
➁拘縮期
– **期間**:1ヶ月~3ヶ月
– **症状**:炎症が軽減し、肩の動きが制限は関節包や滑液包の拘縮が主な原因。運動時に痛みが現れますが、安静時や夜間の痛みは軽減されます。
– **治療のポイント**:痛みが出ない範囲での関節運動が推奨されます。
拘縮期は、炎症が落ち着いてくる時期であり、肩の動きが制限される原因が主に関節包や滑液包の拘縮によるものです。この時期には、無理をせずに徐々に関節の動きを取り戻すことが重要です。
③回復期
– **期間**:3ヶ月以上
– **症状**:炎症が完全になくなり、痛みもほとんどなくなります。可動域が制限されることがありますが、不便はほとんど感じません。
– **治療のポイント**:積極的に関節運動を行い、可動域を改善します。
回復期は、肩関節周囲炎の最終段階であり、炎症が完全に治まり、痛みがほとんどなくなる時期です。この時期には、積極的に関節運動を行うことで、肩の可動域を取り戻すことが重要です。
・肩関節周囲炎の治療方法
肩関節周囲炎は、一度に治るものではありません。適切な治療と計画が必要です。治療の目的は、施術によって早期改善を図り、患者の生活の質を向上させることです。以下に、肩関節周囲炎の治療方法を紹介します。
1. 安静とポジショニング指導
急性期には、肩を安静に保つことが最も重要です。また、肩の適切なポジショニングを指導することで、痛みの軽減や拘縮の予防を図ります。
2. 運動療法
運動療法は、肩関節周囲炎の治療において重要な役割を果たします。運動療法(ストレッチ、エクササイズなど)を組み合わせて行います。特に、時期によって痛みが出ない範囲での関節運動が推奨されます。
3. 薬物療法
炎症や痛みを軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド注射が使用されることがあります。
4. 鍼灸・マッサージ
鍼灸治療は、肩関節周囲炎の治療において非常に有効です。鍼灸は血行を促進し、筋肉の緊張を和らげたり、自律神経のバランスを整え、痛みを軽減する効果があります。急性期の炎症が強い時期は、患部外の状態を整えます。拘縮期以降は、患部周囲に施術を加え早期改善を図ります。
5. 日常生活の工夫
肩関節周囲炎の治療には、日常生活での工夫も重要です。以下の点に注意しましょう。
– 重い物を持ち上げる際には、腰や脚の力を使って持ち上げる。
– 長時間同じ姿勢を続けないようにする。
– 肩に負担をかける動作を避ける。
・肩関節周囲炎と他の疾患との区別の重要性
肩関節周囲炎は他の肩の疾患と症状が似ていることが多いため、区別が重要です。
・上腕二頭筋長頭炎
症状:肩の前部に鋭い痛みが現れる。
・石灰沈着性腱板炎
症状:急激な肩の痛みと動きの制限。
治療:消炎薬、物理療法など場合によっては外科的介入が必要です。
・腱板断裂
症状:肩の動きが制限され、筋力低下が現れる。
治療:リハビリテーションや手術が必要となることがあります。
※これらの疾患を正確な診断するためには、医師による診察と適切な診断が不可欠です。
肩関節周囲炎は、多くの人が経験する肩の痛みの一因ですが、適切な治療計画によって症状を軽減し、早期改善を図ることが可能です。
当院でも患者様ごとの状態に合わせて施術計画を立て、それぞれに適したアプローチを行って参ります。
症状がひどくなる前に早めにご相談くださいませ。
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